“SBNR”
耳にしたことはありますか?
“SBNR”とは、
「Spiritual But Not Religious」の頭文字。
直訳すると「無宗教型スピリチュアル」という意味で、
精神的な豊かさを求めるが、特定の宗教を信仰しているわけではない人たちのことや、属性を表します。
このSBNR層は近年欧米を中心にどんどん拡大していると言われ、若い年代の中でもごく当たり前な感覚に近づいているそう。
この“無宗教型スピリチュアル”の感覚は、
調べてみると、日本が元々文化として大切にしてきた自然との関わり方や宗教への考え方ととても親和性が高いものと言えそうなのです。
例えば、
日本は古来より「神道」と言って万物全てに神が宿ると考えられていました。それは、“〇〇しなければ悪いことが起こる”や“〇〇しないと良いことが起こらない”などという限定的且つ、拘束性のあるものではありません。
ただ目の前に存在する“自然(※1)”に感謝の気持ちを持って大切に生きること。
「神道」に限らず、日本には昔から「道」とつく伝統文化があります。武道、華道、茶道、香道、、、
ここで表される「道」というものは、その過程やプロセスそのものことです。 その生き方とも言えます。
宗教は、いわゆる“悟り”などのゴールを目指すことを目的としている場合が多いように見受けられます。
一方、無宗教型はゴールがなく精神的な豊かさの中で“ただ在る”ことこそが目的です。
現代の日本を見てみると、お正月に神社へ初詣に行き、クリスマスにはパーティーをする風潮がありますよね。
(もちろんしない人もいますが)
それは日本に元々「道」の感覚や、自然や万物に対する信仰崇拝があったからこそ、宗教的な意義をある意味スルーして文化を受け入れ、生活にまで落とし込むことが出来たのではないでしょうか。
ただどうしても、「スピリチュアル」というとやや“ピリリ”とするのもまた現代。
いわゆるSBNR層の人々は、
健康に対する意識、自然とのふれあい、リトリート、食事、マインドフルネスや多様性への理解などへの関心が高い人々とも言い換えることが出来ます。
モノが溢れた現代社会でいかに身軽に、精神的な豊かさの中で今を生きていくかという一つの価値観であり、ライフスタイルの選択肢のうちの一つなのです。
また、近頃耳にするようになった「AI」(人工知能)の出現。
私達人間の生産性を上げたり、人間では到達できなかった分野への可能性を示してくれる一方で、心や意識のある人間にしか生み出せないものは何か?や、人が生きていく上で大切にしたい部分を問われているような気がします。
“モノ”はある。
ただ、心の豊かさは“モノ”のようにAIで生産することはできない。
心の豊かさと表現される“精神性”は買うことも売ることもできず、唯一人間の身体一つで生産できるエネルギー。
流行病や世界情勢、毎日目まぐるしく変化していく今この時。
今後、世の中がどのように変化していくかは、正直誰にもわかりません。
どんなに権力のある人だって知り得ません。
どんなに野望を抱いている人っだって人間として生きている限り、いつこの世からいなくなるかなんて誰にもわからないのです。
そんな変化し続ける世界の中で、唯一自分が自由に動かせるのが“意識”や“心”。
自分の手が及ばない範囲の課題に頭を悩ませていても仕方がない。
自分の手の届く範囲。
つまり自分自身の、最も中心をどう視るか?という問いの中に“今”をよりよく生きるヒントが隠されているような気がします。
まだまだ日本では“SBNR”「無宗教型スピリチュアル」という概念は浸透していないかの様にも受け取れますが、関係図書を読んだり、調べていくと気づいている人はすでに動き出していることがわかります。
例えば、内閣府がインバウンド向けや国内のSBNR層に向けての新政策を提案していたり、趣味として生活に取り入れられている“ヨガ”や“アーユルヴェーダ”の読み物などにも紹介されるようになってきているのです。
padopado candleとしても、
心の豊かさにフォーカスしたイベントや、キャンドル製作、活動を続けていきたいと思っています。
不確実なものも多い世の中ですが、
自分自身の心に対してはいつの時代も確かな姿勢で在りたいものですね。
今日もここまで読んでくださりありがとうございました。
また次回のLetterでお会いしましょう♪
(※1)「自然」じねん
山・海・川・原生林といった自然(nature)ではなく、人間もその一部であり万物すべて含むより広い対象を指す。